【ネタバレ無】【感想】(小説) 愛なき世界
愛なき世界
三浦しをん さん
を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。
こんな方におススメ
- 現実世界の日常をテーマにした設定が好き
- 植物がテーマにある内容が好き
- 登場人物の心情変化のすがすがしさを味わいたい
これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。
ある飲食店で働く男性と、大学院研究生である女性を中心としてストーリーが展開していきます。まったく違う専門性をもった二人が関わる中で、それぞれに起こる心情変化の様子や植物に関する描写も丁寧に語られています。二人の若者の心理的成長を見守る暖かみのある小説です。
私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。
- 現実世界の中で実在しうる登場人物たちに身近さや親しみを感じる。
- 料理と植物、それぞれ異なる専門について描写が丁寧で理解しやすい。
- 登場人物の心情変化の様子とその結末にすがすがしさがある。
以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。
1.現実世界の中で実在しうる登場人物たちに身近さや親しみを感じる。
現実世界が舞台としたストーリーで、特に某大学の周辺をモチーフに描かれていると思われます。そのため、私たちの身近にも実在し得るような登場人物には親しみを持ちながら世界観に入り込めました。実在し得るであろう舞台を想像しながら読むのも景色が目に浮かぶようで楽しかったです。
2.料理と植物、それぞれ異なる専門について描写が丁寧で理解しやすい。
登場人物は料理や植物についてそれぞれ上達/追究を志しているため専門性の理解が多少なりとも必要ですが、どちらも丁寧に描写されており理解しやすかったです。そのうえで異なる専門性の向上に努める二人がどのように関わっていくのかという点に興味を惹かれていき、そのつながりが面白かったです。
3.登場人物の心情変化の様子とその結末にすがすがしさがある。
現実においても、それぞれの専門性の向上に努める若者は自分自身の閉じた世界で思考が淀みがちになると思います。その点、本作では自身の現状を打破しようと奮闘するなかで異なる専門の若者が交流しながら心情変化していく様子が描かれています。お互いに温かみをもって交流する様子に安心感を得るとともに、心情変化による成長を見守るうちに青春を感じてすがすがしい結末でした。
総評
私たちの身近にも実在し得るような登場人物・景色に親しみを持ちながら世界観に入り込めました。専門性の描写は丁寧で理解しやすく、異なる専門性をもつ登場人物の交流が面白かったです。お互いに温かみをもって交流する様子に安心感あり、心情変化による成長には青春を感じてすがすがしい気持ちになりました。
- 現実世界の中で実在しうる登場人物たちに身近さや親しみを感じる。
- 料理と植物、それぞれ異なる専門について描写が丁寧で理解しやすい。
- 登場人物の心情変化の様子とその結末にすがすがしさがある。
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以上、ご参考になれば幸いです!