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【ネタバレ無】【感想】(小説) 長いお別れ(The Long Goodbye)

長いお別れ(原題:The Long Goodbye)

レイモンド・チャンドラー さん(著)、

清水 俊二 さん(翻訳)

を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。

こんな方におススメ

  • ハードボイルド系のミステリーが好き
  • 名言がある、言い回しがおしゃれな本が好き
  • お酒が飲みたくなる本が好き

これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。

近代のアメリカを舞台とした世界観で、私立探偵として様々な依頼をうけるフィリップ・マーロウが主人公のシリーズ作。主人公は自分の意志が強くちょっとした権力には屈しないまっすぐさ(あまのじゃくさかも)を持っていて、少しでも納得できないことは自らの足で事実をつかみ取っていったり、その中で直面する相手とのシニカルなやりとりなどが非常に魅力的です。本作もその魅力が存分に発揮されていて、さらに大きな伏線を締めくくる結末と有名な名言が表れるシリーズ代表作です。

 

私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。

  1. 自分の意志を貫き権力に屈さない魅力的な主人公
  2. 退廃的なムードとシニカルなやり取りが小気味よい
  3. 鬱屈とした感情が続いたあとの結末での解放感が大きい

以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。

1.自分の意志を貫き権力に屈さない魅力的な主人公

主人公は調査を進めるにあたって様々な権力や理不尽さが目の前に立ちふさがりますが、自分が不利になるように思われてもそれに屈せず立ち向かう様子がかっこよく魅力的でした。読者としてはやめとけばいいのに・・・と思いながらも反抗的であまのじゃくにも見えるその行動からは目が離せずドキドキ感も味わえました。

2.退廃的なムードとシニカルなやり取りが小気味よい

終始漂う非道徳なムードと時にそれを利用しながら私立探偵として孤独に調査を進める様子はまさにハードボイルド。事あるごとに登場するバーボンや、本作ではカクテルのギムレットが取り上げられたりと読んでいるとお酒も飲みたくなります。また、主導権をにぎるために主人公が口にする皮肉っぽい言い回しには、やってやったぜという小気味よさがあります。

3.鬱屈とした感情が続いたあとの結末での解放感が大きい

自分が追い求める真相のために不可解な依頼も引き受けていくため、危なげで鬱屈とした場面が続くことも多いです。しかし、それがあるからこそ納得のある結末での感情の解放感は大きかったです。アメリカンなシニカルさやジョークなどの言い回しは少し慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひとも最後まで読んでみてもらいたいです!

総評

自分が不利になるように思われてもそれに屈せず立ち向かう主人公はかっこよく魅力的でした。終始漂う非道徳なムードですが、時にそれを利用しながら、時に皮肉っぽい言い回しや行動で立ち向かっていく様子には小気味よさがあります。鬱屈としたストーリーが続くからこそ納得のある結末で得られる感情の解放感が大きかったです。

  1. 自分の意志を貫き権力に屈さない魅力的な主人公
  2. 退廃的なムードとシニカルなやり取りが小気味よい
  3. 鬱屈とした感情が続いたあとの結末での解放感が大きい

 

その他の本の感想やリストはこちら

mochizuki-1.hatenablog.com

 

以上、ご参考になれば幸いです!