【ネタバレ無】【感想】(小説)特許やぶりの女王
特許やぶりの女王
南原 詠さん
を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。
こんな方におススメ
これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。
特許侵害(通告)を事件ととらえて、その事件の背景に隠された事実を明らかにして解決に臨む一種のミステリー。
特許権を軸として必然的に収集される情報と導き出される真相、解決に至らせる女性主人公の手腕が痛快。現代社会ならではのVtuberと特許権が題材となっています。
私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。
- 必要な情報は語られるため「特許」に関する知識が不要
- Vtuberの世界に関する想像が膨らむ
- 事件調査の流れと解決に至る交渉術が鮮やか
以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。
1.必要な情報は語られるため「特許」に関する知識が不要
特許について専門外の読者でも必要な情報が語られていて気後れすることなく読み進められました。「特許やぶり」の鮮やかさは導入部だけでも味わうことができて期待が高まります。特許侵害という通告に対し、いかに正攻法で依頼者を守るかという思考を辿る中で、読者も特許権の知識を少しながらでも身に着けられるというお得感もありました。難しそうな話をするっと理解させてくれるという小説、好きです!
2.Vtuberの世界に関する想像力が膨らむ
依頼者がVtuber関係者であるため、フィクションではありますがVtuberの世界について表裏を垣間見ているようで興味を惹かれました。現実の世界で私たちが知るVtuberたちももしかしたらこういう風に世に送り出されているのかな、と思いを巡らせてしまう部分もありました。
Vtuberも一人の表現者として優れた才能の持ち主。社会の中での自由(権利)を守るというのは才能を守るということでもあるのかも、という気づきもありました。
3.事件調査の流れと解決に至る交渉術が鮮やか
特許権を軸において調査することによって明らかになる事実と、付随してあらわれる怪しさ。これによって必然的に導き出される真相には納得感がありました。さらに事件を解決する為に選ばれる選択と、その交渉術がとても鮮やかでした。特許を軸にしながらも、それだけでなく幅広い情報を駆使する豊かさが味わえました。
総評
特許という一見難しそうな話をするっと理解させてくれつつ、「特許やぶり」の鮮やかさを導入部から味わうことができて期待が高まります。また、Vtuberの世界について表裏を垣間見ているようで興味を惹かれました。特許を軸にしながらも、それだけでなく幅広い情報の豊かさと、それを駆使した交渉術の鮮やかさがあり痛快でした。
- 必要な情報は語られるため「特許」に関する知識が不要
- Vtuberの世界に関する想像が膨らむ
- 事件調査の流れと解決に至る交渉術が鮮やか
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以上、ご参考になれば幸いです!