【ネタバレ無】【感想】(小説)人間みたいに生きている
人間みたいに生きている
佐原 ひかりさん
を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。
こんな方におススメ
- 学生さん:思春期の葛藤をかみしめたい
- 社会人さん:コンプレックスを共有したい
- のんびりと:ゆっくりとした景色を思い浮かべたい
これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。
わかちあえない抑圧された自己のコンプレックスを抱え、女子高生はどう過ごしていくのか。抑圧からの解放・・・カタルシスを求めてしまう。
自分のコンプレックスと他人が思う人間『らしさ』のギャップに私たちは生きづらさを感じているはず。凝り固まった『らしさ』という価値観をほぐすために、ギャップを受け入れてお互いの価値観をぶつけ合えられる相手がいれば・・・
私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。
- 誰しもがもつコンプレックスへ向き合う描写
- 青春時代の淡い爽やかさ
- 現実的ながら非日常空間のゆるやかな時間
以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。
1.コンプレックスへ向き合う描写
誰しも持ちうるコンプレックス。そんなコンプレックスは自分だけのものかも…?と気持ちを他人と気軽に共有できないとき、隠して、つくろって感情は抑圧されていきますよね。多くの価値観に触れられる機会が少なく人生経験も短ければなおさら。
その気持ちと、抑圧と、主人公はどう向かい合っていくのか・・・彼女の気持ちが救われますように!と願いをこめながら結末が気になって読み進めてしまいました。
2.青春時代の淡い爽やかさ
学園内、家庭内、広いようで狭い人間関係のなかで生きる青春時代。それゆえに丁寧に描写される主人公が抱えるコンプレックス/感情は読者である自分にも大きな問題だと感じさせられます。同時に、読者自身の学生時代を思い返させるものもあるはず。
小説の描写と思い返される読者の経験が混ざって淡い青春の爽やかさを感じられました。
3.現実的ながら非日常空間のゆるやかな時間
舞台の一つは現実からはなれてひっそりとした非日常的な空間。それは堅苦しい人間関係や世間体からも逃れられるゆるやかな時間になる。それが読者にとっても癒しになりました。主人公の苦しさと、この非日常な空間でのゆるやかさがギャップとなって緊張と緩和による刺激で心も整いました!
総評
抑圧された彼女の気持ちが救われますように!と願いをこめながら結末が気になって読み進めてしまいました。小説の描写と思い返される読者の経験が混ざって淡い青春の爽やかさを感じられました。主人公の苦しさと、非日常な空間でのゆるやかさがギャップとなって緊張と緩和による刺激で心も整いました!
- 誰しもがもつコンプレックスへ向き合う描写
- 青春時代の淡い爽やかさ
- 現実的ながら非日常空間のゆるやかな時間
その他の本の感想やリストはこちら
以上、ご参考になれば幸いです!