【ネタバレ無】【感想】(小説)ラブカは静かに弓を持つ
ラブカは静かに弓を持つ
安壇 美緒さん
を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。
こんな方におススメ
これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。
「音楽/トラウマ/潜入調査」これは完全に約束されたカタルシス・・・っ!
深く、豊か、頭の中で響くチェロの音。それが掬いとる奥底に埋もれた心。
本当は私たちの無感情で覆い尽くしてしまった心の壁も溶かして救って欲しい。
そんな祈りが重なる。
私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。
- 会社員のリアルな生活
- 先生と生徒。あたたかみある交流
- 葛藤からの解放への期待感
以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。
1.会社員のリアルな生活
組織に属する人間として任された業務/課題へ割り切って取り組む私たち。淡々とする一方で抱える感情は誰しもきっと共通で、主人公への共感性はとても高かったです。
ありふれた登場人物のようで、その身近さには逆に親近感がわきました。だからこそリアリティを感じ没入感が増しました。
2.先生と生徒。あたたかみある交流
プライベートの時間での先生と生徒という関係性に、私はどこか安心感を感じます。教えたい/教わりたいという目的が一致しつつ、個々と向き合って気軽に心を見せ隠しする。それは近いような遠いような絶妙な距離感があるからこそ心地よさを感じるのかもしれません。
滅私奉公の文化がいまだ感じられる現代日本社会の会社員。だからこそプライベートであたたかみのある交流に安心感が生まれて読んでいてホッとしました。
3.葛藤からの解放への期待感
会社員とプライベートな生徒。この二つの板挟みの葛藤はどう解消されるのか。
あるいは解消しえないものなのか・・・。自分ならどうするか、という悩みと重なって結末まで期待感が継続しました!
音楽教室が舞台となっているため、終始読者の頭の中でも響くチェロの音。これが自分の中に響くからこそ自分だけの心にもしみ込んでくるような気がします。
総評
淡々とする一方で抱える感情は誰しもきっと共通で、主人公にリアリティを感じ没入感が増しました。プライベートであたたかみのある交流に安心感が生まれて読んでいてホッとしました。二つの板挟みの葛藤はどう解消されるのか。自分ならどうするか、という悩みと重なって結末まで期待感が継続しました!
- 会社員のリアルな生活
- 先生と生徒。あたたかみある交流
- 葛藤からの解放への期待感
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以上、ご参考になれば幸いです!