【ネタバレ無】【感想】(小説) 世界の終りの天文台
世界の終りの天文台
を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。
こんな方におススメ
- SF、非日常性のある架空世界観のストーリーが好き
- 美しい情景が想像できる描写が好き
- 1冊を通した伏線回収を味わいたい
これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。
世界の終わりという設定の中で生きる様子を二つの視点から描いたストーリーです。現実世界を基盤とした世界感設定ではありますが、終末を感じさせるもの悲しさの一方で各主人公の見る景色の描写が美しく対比されていてより情景の想像が際立ちました。また、読後は感想や解釈を語り合いたくなる内容でした。
私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。
- 設定はSF,非日常感があるが、現実世界を基盤としているため飲み込みやすい。
- 登場人物の見る景色が美しく想像できて気持ちいい
- 大きな伏線回収と、感想共有・考察したくなる読後感
以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。
1.設定はSF,非日常感があるが、現実世界を基盤としているため飲み込みやすい。
軽いSFの要素もありますが、基本的には現実世界を基盤としているため世界設定には入り込みやすかったです。「世界の終わり」という設定はもの悲しさはありながらも、それに対する登場人物の向き合い方に私はどこか希望を感じました。常に先の展開に期待を寄せ続けながら気持ちを盛り上げることができました。
2.登場人物の見る景色が美しく想像できて気持ちいい
もともと私自身が「星」というテーマが好きなため手にした小説でしたが、舞台となる天文台周辺の景色は美しく雄大で、想像するほどゆったりと心地よさを感じられました。一方の星々の景色についても広がりがあり、絶望感のあるテーマであるにもかかわらずその世界に魅了される面もありました。
3.大きな伏線回収と、感想共有・考察したくなる読後感
1冊を通して回収される大きな伏線回収と、登場人物が小説の終盤で得る心情に移入しカタルシスに近いものを感じ爽快感がありました。また、登場人物が最後に至る心情変化をもって小説が結末するという潔さがありました。その心情解釈や世界観の理解については人それぞれ異なる印象・想像ができると思われ、自分自身のみで噛みしめるだけでなく、他人とも感想や考察を共有したくなるような自由度がありました。
総評
世界設定はもの悲しさはありながら、それに対する登場人物の向き合い方に期待を寄せ続けながら気持ちを盛り上げることができました。舞台の景色は美しく雄大で、想像するほどゆったりと心地よさを感じられました。結末に向けて大きな伏線回収と、登場人物への感情移入によるカタルシスがありました。さらに読後の感想や解釈は他人と語り合いたくなる自由度がありました。
- 設定はSF,非日常感があるが、現実世界を基盤としているため飲み込みやすい。
- 登場人物の見る景色が美しく想像できて気持ちいい
- 大きな伏線回収と、感想共有・考察したくなる読後感
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以上、ご参考になれば幸いです!