【ネタバレ無】【感想】(小説) 四畳半タイムマシンブルース
四畳半タイムマシンブルース
森見登美彦 さん
を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。
こんな方におススメ
- SF的要素が絡む非殺人の謎解きミステリーが好き
- 既刊、アニメで登場したキャラクターを用いた小説が好き
- 多数の伏線、納得感が充実した謎解きを味わいたい
これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。
ある大学生を主人公としたタイムリープ/タイムスリップにまつわるストーリーです。登場人物は「四畳半神話大系」でおなじみのキャラクターたち。タイムリープ/タイムスリップのある作品では常につきまとうタイムパラドックスのもやもやを感じることなくスカッとした結末。堂々と差し出される伏線がどう回収されていくのか、謎解きの要素のあるミステリー作品として私は分類したいです。サマータイムマシン・ブルースとのコラボ作品です。
私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。
以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。
1.タイムパラドックスを感じさせないストーリー
タイムリープ/タイムスリップのある作品ではタイムパラドックスのもやもやを感じることも多々ありますが、本作ではその矛盾を感じることなく因果関係を理解しながらすっきりと読むことができました。事実とキャラクターの心境が論理的に表現されていくのも読者がストーリーについていきやすく安心感があります。
2.魅力的な既知のキャラクターたちが登場するため想像・没入がしやすい
個性豊かな魅力的なキャラクターたちが登場するため、それぞれのキャラクターが起こす展開がおもしろかったです。既刊「四畳半神話体系」の読書/視聴経験がなくても楽しめる内容です。それゆえに、映画「サマータイムマシン・ブルース」とのコラボ作品でありながらまた違った味わいがありました。
3.伏線の量が豊富で、かつ怒涛の伏線回収が爽快
各所に散りばめられた不可解な出来事=謎がどのように明かされていくのか、先の展開が常に楽しみになる内容で、またその伏線の回収のされ方もテンポよく飽きがありませんでした。またタイムパラドックスと向かい合う論理的な描写には納得感があり、結末に向けてすべてがつながっていく爽快感がありました。
総評
事実とキャラクターの心境が論理的に表現されていくため読者がストーリーについていきやすいという安心感がありました。一方で個性豊かな魅力的なキャラクターたちが起こす展開には興味をひきつけられます。その中で、各所に散りばめられた伏線の回収のされ方もテンポよく、結末に向けてすべてがつながっていく爽快感がありました。
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以上、ご参考になれば幸いです!