【ネタバレ無】【感想】(小説)自由研究には向かない殺人

自由研究には向かない殺人

ホリー・ジャクソンさん

を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。

こんな方におススメ

推理小説をゆっくり味わいたい
海外文化も感じ取りたい
読みやすい学生視点の作品が好き

これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。

現代イギリスの女子学生がSNSやスマホを駆使して「自由研究」として過去に起こった事件を改めて調査していきます。一つの事件を追っていきながら海外での日常のやり取りや生活感も味わえました。

私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。

「自由研究」として一学生ができうる調査にリアリティがある
海外ならではのジョークの応酬がやみつきになる
結末での物語にさらっとしたカタルシスを感じられる

以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。

1.「自由研究」として一学生ができうる調査にリアリティがある

女子学生がSNSやスマホを駆使して事件を追う様子は、現代社会で入手しうる情報から一つの事件の真相にもたどり着きうるというリアリティがありました。

また、「自由研究」として調査が進むごとに主人公がまとめるレポートは事実と主観的な推理が整理されていて読者としても事件の追求・犯人の推理に夢中になれました。物語とレポートが交互に描写され、先の展開が常に気になる内容でした。

2.海外ならではのジョークの応酬がやみつきになる

相手を皮肉る少しシニカルなジョーク。そしてそれにジョークで対抗する、小気味よさ・おしゃれさがありました。そのため、殺人事件を追求する物語でありながらライトな読み心地もあり、キャラクターに魅力を感じられました。

3.結末での物語にさらっとしたカタルシスを感じられる

過去に起こった事件について、ある直感がきっかけで始められた自由研究。それら直感の裏付けやレポートで描写されていく主人公の主観的な感情に移入してしまいます。結末に向けて調査の行く末を見守った達成感ももちろんあります。ですがそれだけでなく、主人公のその感情があってこそ迎える最後にはカタルシスも感じられました。

総評

女子学生がSNSやスマホを駆使して事件を追う様子は、現代社会で入手しうる情報から一つの事件の真相にもたどり着きうるというリアリティがありました。少しシニカルなジョークとそれに対抗するジョークに小気味よさ・おしゃれさがあり、キャラクターに魅力を感じられました。結末に向けて調査の行く末を見守った達成感だけでなく、主人公の感情があってこそ迎える最後にはカタルシスも感じられました。