【ネタバレ無】【感想】(小説) N/A
N/A
年森 瑛さん
を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。
こんな方におススメ
- 現代学生の青春を味わいたい
- 人間の多様性の理解を深めたい
- 純文学的な文章の美しさを味わいたい
これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。
現代日本で女子高生が主人公。自己のアイデンティティーや人間の多様性に関する問題提起を感じます。純文学的に美しい文章で表現されているのも印象に残りました。
私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。
- 共感性のある心情表現
- 人間の多様性に関する認識への気づきがある
- 短時間で日本語の表現の豊かさを感じられる
以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。
1.共感性のある心情表現
主人公は女子高生で青春時代におそらく誰しも通過したであろう心情をたどっていきます。ただこれは若者だけが抱えるものではなく、社会人であっても常に心にひっかかりつづけている命題であるはずで、高い共感性がありました。
また女性視点で描かれており、ここで描かれる苦悩は男性にとっても少しでも理解を深めるために役立つのではないかと思いました。
2.人間の多様性に関する認識への気づきがある
「人間の多様性」について私自身のもつ認識を改める必要があることに気づくことができました。本書を読む前は、人間の多様性に関する教育結果から、「こんな特徴がある方もいる」「そういう方にはこういう接し方をしたほうが良い」というようなある種のラベル/カテゴリ分けとマニュアル的な対応を情報として理解しているだけでした。
本書を読んでから、そういった認識はむしろ人間をラベル付けして画一的にとらることによって自分のテリトリーから遠ざけているのではないかと気づきました。
人間の多様性とは、あえてカテゴリ分けする必要はなく、それぞれの「個性」そのものと向き合って自分と相手ならではの1対1の交流が大事であると認識を改められました。
3.短時間で日本語の表現の豊かさを感じられる
ひとつひとつの所作や風景が美しい日本語で豊かに表現されていました。そのため人物や景色の想像もよりリアルに感じられたように思います。
1冊は100ページほどの量で私は3時間ほどと、延べ半日も使わずに読了できました。短時間で読破できながら、様々な心情や表現を味わえるので読みごたえもあり、読書効率も高かったです。
総評
青春時代に誰しも通過したであろう心情は、社会人であっても常に心にひっかかりつづけている命題であるはずで、高い共感性がありました。人間の多様性とは、それぞれの「個性」そのものと向き合って自分と相手ならではの1対1の交流が大事であると認識を改められました。短時間で読破できながら、様々な心情や表現を味わえるので読みごたえもあり、読書効率も高かったです。
- 共感性のある心情表現
- 人間の多様性に関する認識への気づきがある
- 短時間で日本語の表現の豊かさを感じられる
その他の本の感想やリストはこちら
以上、ご参考になれば幸いです!