【ネタバレ無】【感想】(小説)わたしの美しい庭
わたしの美しい庭
凪良ゆう さん
を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。
これから読む本を選択するときの後押しになれれば幸いです。
連作短編であり、ある屋上庭園とそれにまつわる人々のストーリーです。
私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。
- テーマの軸がある短編なため、飽きずに展開が繰り返されて読み進めやすい
- 短編でありながらも各章での登場人物の背景、心情の掘り下げが丁寧で感情移入、没入できる。
- 感情移入できるため、各章で穏やかなカタルシスを得られる。
以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。
1.テーマの軸がある短編なため、飽きずに展開が繰り返されて読み進めやすい。
この連作短編は同じ世界観の中で、各章で登場人物/視点がかわるため、短編の感覚で読むことができます。
一方で登場人物たちは一つのテーマ(わたしの美しい庭)に関わる人々について描かれています。そのため各章につながりを感じることができ、一つの章を読み終えた後に新しい章を読み始めても、世界観の連続性があって読み進めやすかったです。
また、短編ゆえに各章でひとつひとつの起承転結の展開があり、それに伴って読者自身も感情の起伏を感じられるため読み進めやすかったです。
2.短編でありながらも各章での登場人物の背景、心情の掘り下げが丁寧で感情移入、没入できる。
短編集の場合、各章が短く主人公が異なると、その登場人物への感情移入が弱く印象も薄くなりがちです。
しかしながらこの本では登場人物の背景、心情が各章ごとに丁寧に表現されています。そのため読者とは異なる状況にある登場人物に対しても共感しながら本の世界観に没入することができました。
3.感情移入できるため、各章で穏やかなカタルシスを得られる。
各登場人物に感情移入できるからこそ、本の中で起こる様々な事や巻き起こる感情を読者もいっしょに想像できます。起承転結により得られる清々しい気持ち、穏やかなカタルシスを各章の読後に感じられました。
総評
連作短編でありながら、連続性のある世界観の中で展開が複数あり、その中で得られる感情が豊かに心地よく絶えず変化するのがおもしろかったです。
- テーマの軸がある短編なため、飽きずに展開が繰り返されて読み進めやすい
- 短編でありながらも各章での登場人物の背景、心情の掘り下げが丁寧で感情移入、没入できる。
- 感情移入できるため、各章で穏やかなカタルシスを得られる。
その他の本の感想やリストはこちら
以上、ご参考になれば幸いです!