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【ネタバレ無】【感想】(小説) 六人の嘘つきな大学生

六人の嘘つきな大学生

浅倉 秋成 さん

を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。

こんな方におススメ

  • 謎を追っていく「殺人系ではない」ミステリーが好き
  • 多数の伏線があって展開に常に期待感のある内容が好き
  • 世界観に没入しつつ、読者へのいい意味での裏切りを味わいたい

これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。

現代の日本をもとにした世界観で、とある企業の就職活動をめぐる6人の大学生が主な登場人物です。その就職活動の中で起こる出来事に関して謎を追うミステリーとなっています。この出来事自体は特殊ですが、日本の就職活動での様子にはリアルな部分があって、それぞれの人間性の描写は身近で親しみもありました。殺人系のミステリーが苦手、という方にも読みやすい内容です。

 

私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。

  1. 発生する謎と調査のテンポ、バランスが良く常に期待感を持って読める
  2. 真実の追求とともに、登場人物の心情(動機)も追っていく
  3. 一人称視点のため世界観に入り込みやすい

以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。

1.発生する謎と調査のテンポ、バランスが良い

発生する様々な謎とその調査のバランスが良いため一つ一つの事象をゆっくり考察しやすかったです。また、それぞれの事象がしっかり印象に残るため途中で解釈するために読み止まることはなく、スムーズに読み進められました。また、読み進める中で大小多くの伏線がリズムよく入っていて、常に先の展開に期待が高まる内容でした。伏線回収のために描写される場面転換も効果的で展開の仕方がおもしろかったです。初見では気づけない大きな伏線と、その回収はとても心地良かったです。

2.真実の追求とともに、登場人物の心情(動機)も追っていく

発生する謎に対して、事実・真実を追求していくことはもちろん、それぞれの登場人物の心情や動機についても追っていくように描写されていました。単に謎に対するトリックを見抜くだけでなく、人間性を探っていきながら得られた感情に揺さぶられました。それでありながら謎や各心情が明かされた読後にはスッキリと前向きな感情が残り、読者自身も感情のめまぐるしい変化を味わえました。

3.一人称視点のため世界観に入り込みやすい

一個人の視点で描写されているため、そこから見えてくる人間の表裏はリアルで、読み進めるにつれて変化していく印象に惹きつけられました。さらに、基本的に視点が統一していることにより、読者自信もその主人公に移入しながら推理に参加しやすい内容となっていました。逆に、一人称視点であるがゆえに必要なタイミングまで語られない事実もあり、いい意味での読者への裏切りがあってそれも気持ちよかったです。

総評

読み進める中で大小多くの伏線がリズムよく入っていて、常に先の展開に期待が高まる内容でした。単に謎に対するトリックを見抜くだけでなく、人間性を探っていきながら得られた感情に揺さぶられました。一個人の視点で描写されているため、そこから見えてくる人間の表裏はリアルで、読み進めるにつれて変化していく印象に惹きつけられました。またいい意味での読者への裏切りもあってそれも気持ちよかったです。

  1. 発生する謎と調査のテンポ、バランスが良く常に期待感を持って読める
  2. 真実の追求とともに、登場人物の心情(動機)も追っていく
  3. 一人称視点のため世界観に入り込みやすい

 

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以上、ご参考になれば幸いです!