【ネタバレ無】【感想】(小説)がん消滅の罠
がん消滅の罠 完全寛解の謎
岩木一麻 さん
を読んだのでネタバレしないように感想を書き留めます。
こんな方におススメ
- 現代フィクションのミステリーが好き
- 医療関連のリアリティある作品が好き
- がん、保険に関する描写に興味がある
これから読む本を選択するときの後押しになれば幸いです。
現代日本でのがん治療に関するフィクションミステリー作品です。がん治療に従事する医者が主人公です。がん患者を診察していく中で起こる出来事/謎を、医学的に、かつ知識がなくてもわかりやすく解き明かしていきます。
私がこの本を好きなポイント3点を始めにまとめます。
- 医学的(専門的)でありながらも理解しやすく推理に入り込みやすい
- 異なる専門家が多面的な切り口で情報を得ていくため読み心地にも豊かさがある
- 現実でも起こりうるというドキドキ感、緊張感がある
以下各ポイントの感想を詳しく述べていきます。
1.医学的(専門的)でありながらも理解しやすく推理に入り込みやすい
がんをテーマとした医学的要素が絡むミステリーですが、解釈や推理に必要な情報は丁寧に語られていくため理解しやすかったです。そのため読者自身も医学的な知見で推理を辿ることができました。
2.異なる専門家が多面的な切り口で情報を得ていくため読み心地にも豊かさがある
がん患者に起こる謎に対して、医療のなかでも異なる専門家、保険屋さんなど多面的な観点から情報が集められます。つまり単に医者の一人称のみで専門的に進むだけでなく、医療について非専門家の立場としても語られるため謎に対する意見の持ち方が多様で読み心地に豊かさがありました。
3.現実でも起こりうるというドキドキ感、緊張感がある
がんに立ち向かう姿勢や捉え方は現代社会と同様で医療の中でも大きなテーマとなっていると思います。また、本作で仕込まれる謎はフィクションでありながら実現可能とも思わせる内容となっているため、現実でも起こりうるのではという緊張感があってハラハラしながら読むことができました。
さらに、「なぜこのような謎を登場人物は仕込んだのか」という動機にも思いをはせることで感情面でも揺さぶりがありました。
総評
推理に必要な情報は丁寧に語られており読者も医学的な知見で推理を辿ることができました。医療について非専門家の立場としても語られるため謎に対する意見の持ち方が多様で読み心地に豊かさがありました。また、フィクションでありながら実現可能とも思わせるトリックには現実でも起こりうるのではという緊張感がありおもしろかったです。
- 医学的(専門的)でありながらも理解しやすく推理に入り込みやすい
- 異なる専門家が多面的な切り口で情報を得ていくため読み心地にも豊かさがある
- 現実でも起こりうるというドキドキ感、緊張感がある
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以上、ご参考になれば幸いです!